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6§1 離婚相談の入口遡って分担させることが必要であるとして「別居時」を始期とする場合もあります(松本哲泓『婚姻費用・養育費の算定〔改訂版〕』(新日本法規出版,2020)14頁)。イ 終 期婚姻費用分担事件(調停,審判)の多くは,夫婦が「別居」という状態にありますが,別居状態にあるという関係は,将来,円満に解決して同居に至るか,あるいは離婚などの形で解決されるので,これを「終期」として定めています。なお,家庭内別居において,婚姻費用義務を定める場合もありますが,この場合の終期は,「生計を一にする日」です。⑴ ベスト・インタレスト(Best interest)どのような事件でも受任する際には依頼人のベスト・インタレストとは何かを考えることになります。依頼人のために何かできることはないかを考え,小さなことであっても誠実に対応します。⑵ 同居中の依頼者について弁護士ができること従来,弁護士の介入は「別居」後が中心でしたが,相手方が「協力・扶助」義務を果たしていない場合で,相談者が婚姻の継続を望んでおり,別居したくない場合については,①婚姻費用分担義務を果たさない相手方に対し,生活費の支払いを求める,②貞操義務に違反している場合には不貞関係にある第三者に不貞行為をやめるよう求め,第三者に対し慰謝料請求をするなどの介入が考えられます。弁護士が介入すると,相手が別居に踏み切るおそれがあるなどのリスクを説明した上で,依頼者の希望を聞き取りつつ,ベスト・インタレストを考えることが大切です。3 同居中の対応―弁護士ができること

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