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との間に生じるトラブルを防止・解決することになります。別居前に弁護士が介入すると,相手は「離婚を求められる理由はない。自分は悪くない」「弁護士が離婚をそそのかしている」「妻は弁護士に洗脳されている」などと言い,弁護士が攻撃の対象になる場合があります。特に,男性弁護士が女性依頼者の代理人をする場合,男女関係を疑われることもありますので留意する必要があります。事件がうまくいかなくなると,別居の責任を弁護士に転嫁することもあります。なお,妻子の生命・身体への危害が差し迫っているにもかかわらず,別居するだけのお金がなく,親族等の支援も得られないという緊急案件については,配偶者暴力相談支援センターや警察と連携し,シェルターへ避難させるなど,公的機関の援助を得て別居する方法を検討します。⑴ 離婚の意思が固いが,どうやって離婚したらよいのかわからないという場合ア 別居前に準備しておくこと引っ越しは経済的な負担だけでなく,精神的にもストレスを伴うものです。離婚,別居を望まない夫に転居を求めることは難しいでしょう。相手と話し合った上で家を出るのが望ましいのですが,夫の暴言や暴力により話合いができない場合や夫の同意が得られそうもない場合には,やむを得ないので離婚したい方が家を出て別居するほかありません。別居した上で離婚の協議に入ることになります。イ 家族の協力別居後の生活の目処が立つのかどうか,妻が無収入であったり,収入があっても妻と子の生活を維持することができない場合(多くは年収100万円前後の例です。),実家の援助を求めるようアドバイスします。家族は妻にとって大切な資源(経済的・精神的支援の提供者)となりますが,結婚の際のいきさつや,夫が実家との行き来を嫌がっていた等Q2 妻側からの離婚請求の相談92 別居前の検討事項

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