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§1 離婚相談の入口10の事情により,家族とのパイプが切れており,依頼者が孤立していることがあります。この場合は,家族に本当のこと(暴力を受けている,夫の不貞がある場合)を話して,協力が得られるようにします。ウ その他の留意点別居後の生活費については,夫が会社員,公務員など給与所得者である場合は,婚姻費用が請求,確保しやすいことを説明します。子を同伴する場合は,学齢期の子については子の気持ちを確認し,母と一緒に家を出たい/出てもよいという場合には,同伴します。別居時の夫名義の預貯金の持ち出しについては,よほどの事情がない限りやめた方がよいでしょう。財産分与が焦点となる事案では,分与対象財産について同居中に,夫側の資産についてできる限り情報を集めておくようアドバイスします。⑵ 離婚したいと思っているが,離婚後の生活が不安だという場合離婚したいのであれば,夫と別居して生活することになること,別居後自分と子どもがどこでどのような生活をすることになるのか,生活のおおよそのイメージ・構想を立てることを勧めます。その際,住居や生活費の確保について活用できる資源があるのか,どのくらい稼働能力があるのか,家族からの援助が期待できるのか,別居となると引っ越し費用や当面の生活費が必要になるが自分名義の預貯金があるのか,などについて相談します。妻の場合,離婚後の生活に不安を抱えている人が多いので,養育費の支払については支払確保の方策が進んでいること,稼働能力のない高齢の女性については離婚時年金分割の制度があることをアドバイスします。家庭裁判所は,調停の段階で離婚訴訟(裁判)まで進んだ場合に必要となる情報収集を行っています(「荒ごなし」)。離婚したくない当事者に対しても,調停段階において財産関係の資料を提出するよう求一言アドバイス

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