不証
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6第2節 不動産訴訟における資料の役割⑶ 専門性が高いこと 不動産訴訟は,高い専門的知識が要求される専門訴訟の一つである。そして,不動産訴訟では,事件に関わる専門家が多岐に及び,かつ,専門家間で意見がしばしば食い違う(例えば,建築訴訟の場合には各当事者の主張を支える建築士の意見がしばしば対立する)。このような場合,他の専門家が記載した意見書等を読解する必要があるが,その際にはある程度の前提知識がないと読みこなせない。また,不動産訴訟では事件処理に当たり要求される知識が多く,それは,いわゆる法律分野の範囲(第2章・第3章・第6章)のみではなく,会計学(第4章),税実務(第5章),建築工学(第7章),土木・地質工学(第8章)など広範囲に跨る。⑴ 保有者の多様性 不動産関連資料については当事者が保有するものもあるが,公的機関(法務局や市町村)が独自に作成しているものもあるため,その場合は取得のため土地所有権の放棄と相続土地国庫帰属法■■■■■ 土地の公益的・公共的性格から,土地所有権を放棄することも制限されている。広島高松江支判平成28年12月21日訟月64巻6号863頁〔父が現に所有する土地を将来相続し自ら保有し続ける事態を避けるために,その子が受贈後直ちに当該土地の所有権を放棄する目的で父から生前贈与を受け,所有権放棄の意思表示をしたこと,所有権放棄により同土地の負担ないし責任が子から国に移転することを認識していたこと,所有権放棄により所有権喪失が認められた場合,民法239条2項により必然的に国に所有権が帰属し,財産的価値の乏しい同土地の管理に係る多額の経済的負担を余儀なくされることなどから,同土地の所有権放棄は権利の濫用に当たり無効であって許されないとされた事案〕参照。もっとも,土地の所有権を放棄したいという実際の要望も強くある。そこでこれに対処するために,相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和3年法律第25号)が成立した。2 不動産関連資料の多様性

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