不証
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532 登記事項証明書・農地台帳・林地台帳・森林簿9) なお登記官が不動産登記簿の表題部に所有者を記載する行為は,所有者と記載された特定の個人に所有権保存登記申請をすることができる地位を与えるという法的効果を有するから,行政処分に当たる(最判平成9年3月11日集民182号137頁)。10) 登記官による調査の結果,所有権を推認することができない場合は,登記申請は却下される(不動産登記法25条11号。鎌田=寺田128頁)。登記制度は,このような登記官によるチェックという制度的担保があるから,登記はその手続が適法になされたものと推定される(大判明治40年6月18日民録13輯672頁〔保存登記の事案〕)。また,登記簿上の権利者として表示された者を真正の権利者として信じたとしても過失はないものと推定される(大判昭和元年12月25日民集5巻897頁)。さらに,登記内容については悪意が推定される(大判昭和5年6月11日新報226号13頁)。確認して初めて登記申請が受理される(登記官は申請者の所有権の存否についても実地調査権を行使できる。福岡高判平成元年10月25日判時1355号67頁)。 このように表題部所有者の登記は,申請者の所有権証明情報(添付情報)に基づいた登記官の審査9)によって支えられている。10)そして,表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記は,表題部所有者以外の者は,申請することができず(不動産登記法31条),さらに表題部所有者の変更の登記をするには,まず当該不動産についての所有権保存登記をした後,その所有権移転登記の手続をする必要がある(同法32条)。このような表題部登記に関する制度を踏まえると,表題部所有者として記載された所有者が真実の所有者であると事実上推定できる。登記官と実地調査権■■■■■ 登記官は,表示に関する登記について申請があった場合は,調査(検査・提示・質問)することができる(不動産登記法29条,不動産登記規則93条,不登準則60条)。これは,表示登記が前記のとおり権利の登記の起点となる登記であり,客体たる不動産の現況を正確に登記簿上に反映させる必要があることから,特に法が登記官に付与した実質的審査権限といえる。よって,登記官は申請不動産の物理的現況と申請内容との合致や申請人の所有権の存否についても実地調査権を行使し得る(前記福岡高判平成元年10月25日参照)。もっとも,登記官に実体法上の権利の存否に関する詳細な事実認定及び法律判断を常に義務として課することまでは,法の趣旨とするところではないと解されるから,登記官は,提出書類の書面審査の結果,所有権の帰属に疑問を抱く場合において,補充的に実地調査権を行使してその点の調査をなし得るにすぎず,また,その調査の

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