不証
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4 所有不動産記録証明書第1節 所有権関係14) なお,固定資産の所有者であっても固定資産課税台帳に所有者として登録されない限り,固定資産税を課されることはない(金子771頁)。58⑵ 所有者の認定 固定資産税は,固定資産の所有者に課するものとされている(地方税法343条1項)。14)ここにいう所有者とは,土地又は家屋については,登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録がされている者をいう(同条2項)。前述のとおり,所有者の登録においても登記簿主義が採用されている以上,各台帳における所有者の記載についても,所有者の認定において登記記録と同等の推定力を有するといえる(最判昭和33年6月14日集民32号231頁は,家屋台帳上の所有者の記載は,反証がない限り,真実と推定すべきであるとする)。なお,固定資産税は,一般的に土地及び家屋の所有者には申告義務が課せられていないが,住宅用地については,その所有者に申告義務が課せられる場合がある(同法384条)。これに基づいて固定資産課税台帳に登録された所有者は,自己の意思に基づいて納税義務者となったわけであるから,真実の所有者であると事実上推定されるものと解される。⑴ 意 義 令和3年の不動産登記法の改正(法律第24号)によって,相続登記の申請が名寄帳に登載される不動産■■■■■ 名寄帳はその名称からして,全ての不動産を網羅しているように勘違いされることがある。しかし名寄帳は市区町村単位で発行されるため,当然ながら他の市区町村に所在地がある不動産は記載されない。不動産を複数所有していた可能性がある場合にもかかわらず名寄帳の中にその記載がない場合は,登記識別情報通知書や,固定資産税の納税通知書等を確認して,管轄の役所で別途名寄帳を取得する必要がある。

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