戸備

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はしがきi　数年前、いきなり戸籍事務を担当する部署に異動になり、全く知識の無かった私は途方に暮れることになりました。そこで、先輩から薦められた不朽の名著『設題解説戸籍実務の処理』いわゆるレジストラー・ブックスの「Ⅰ総論編」を読んだところ、備忘録（memorandum）等への記録が推奨されていたことから、それに忠実に従い知識の習得に努めました。もっとも、難解な戸籍事務がすんなり理解できたわけではありません。まさに牛の歩みというにふさわしく、日々の業務をおそるおそる処理しながら参考書をめくるという日々が続きました。　そういった試行錯誤の中で感じたのは、参考書で述べられていることを具体的にイメージすることが、初心者には難しいということでした。異動前に少しでも予備知識が早く、それなりに広く吸収できる初心者にも読みやすい書籍でもあればどれだけ助かっただろうと考えながら夜遅くまで事務処理に当たったことが思い出されます。　本書は、そんな思いを持ちながら戸籍事務に従事する一職員の上記備忘録をまとめたものであり、私と同様の立場にいる方々が、着任前に楽しみながら一読して基本的な知識を得られるようにと思い書籍化したものです。そういった経緯から、各解説には3コマ漫画を付してあります。漫画の内容はフィクションであり、実在の法令・団体・人物とは一切関係がありません。賛否はあるかと思いますが、重厚な解説書は数多くある中で、1冊くらい初任者からベテランの職員のための笑いながら読める簡単な書籍があってもよいのではないかと考え、発刊を決断するに至りました。頁数の制限もあり、全てを網羅しているとまではとてもいえないかもしれませんが、少なくとも奇抜な書籍ではあるとは思いますので、少しでも印象に残り、読者の方々のお役に立てばこれ以上の喜びはありません。はしがき