日本人の配偶者等377日本人の配偶者等を有しているということにはならない。国によっては,日本国籍者とその国の国籍者が婚姻後出生した子について,当該国の駐日公館において当該国籍を留保する手続をした場合,これが国籍法11条の対象となり,日本国籍を喪失するに至るという例もあるので,注意を要する。 また,反対の事例として,日本人夫婦の子として出生したものの,何らかの理由により出生届をしなかった場合,国籍法上は,当該出生子は国籍法2条1号の規定により日本国籍者であるものの,戸籍に記載されていないという状態が続くことになる。したがって,戸籍に記載がないからといって必ずしも日本国籍者でないとは言い切れないので,注意を要する。(注) そのほかの例として,「(日本国籍の)選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失つていないものが自己の志望によりその外国の公務員(括弧内略)に就任した場合において,その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるとき」に法務大臣が日本の国籍の喪失の宣告をしたとき(国籍法16条2項)があげられる。なお,実際に,国籍法及び戸籍法の一部を改正する法律(昭和59年5月25日法律第45号)附則3条の規定により日本国籍の選択の宣言をしたとみなされた者に関し,実際に選択の宣言をしたわけではないので,国籍法16条2項の規定の適用はないとの政府見解(昭和59年4月13日衆議院法務委員会枇杷田民事局長答弁(101回衆法9号5頁))が示された例があるが,まれな事例である。 法律上有効な婚姻状態にある配偶者を指す。したがって,内縁の配偶者はここには含まれない。さらに,現に婚姻中であることを指すので,死亡した配偶者及び離婚した配偶者は,ここにいう「配偶者」には該当しない。 また,日本人との婚姻関係により「日本人の配偶者等」の在留資格該当性が存在すると認められるためには,日本人と当該外国人が法律上有効な婚姻状態にあるという形式的要件のほかに,夫婦として「同居し,互いに協力し扶助」し合って社会通念上の夫婦共同生活を営むという婚姻の実体を伴うものでなければならない(参照:法の適用に関する通則法25条,民法752条)。というのは,入管法2条の2第2項の規定に「別表第二の上欄の在留資格をもつてポイント「配偶者」
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