3 性差別とは一定の社会集団から女性を排除することである。女性に社会成員が享受する基本的な諸利益を認めないこと、社会成員としての「法的地位」や「資格」を奪うことであり、必然的に性差別はシティズンシップとジェンダー平等の問題を提起することになる。はじめに シティズンシップは、多義的な概念であるが、一般的には、国籍、社会成員の享有しうる基本的な諸権利(自由権、社会権、参政権など)、更には成員としての感覚、アイデンティティを示すなどとして用いられており、今日のような変動の時代には、正当に認められるべき権利についての拡大、分節化などの再定義を促している。実際、シティズンシップの概念は「平等」と切り離しえないものであり、今日、日本社会においても、従来はシティズンシップの享有主体とみなされてこなかった「女性」や「外国人」、「子ども」に対し、認められるべき地位や権利はどのようなものであるか、といった問いかけが頻繁になされるようになり、いわば具体的条件に即してシティズンシップの追求、要求がみられるようになった。 「ジェンダー平等とシティズンシップ」という形で捉えられるべき問題群は、確実性をもつようになってきたものの1つである。例えば、夫婦別姓を求める女性たちの要求は、シティズンシップの問題を提起せざるを得ないのである。これは、アイデンティティとしてのシティズンシップと呼ぶべきである。 欧米先進社会では、成員市民の価値観、ライフスタイルの多様化とともに、アイデンティティと結びついて権利性が主張され、かつ「平等」の原総 論ジェンダー平等とシティズンシップ
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