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9⑶ 原判決等 本件の一審判決(東京地判2005(平成17)年4月13日、民集62巻6号1449頁)は、①国籍法3条1項(当時)について、「嫡出子たる身分を取得した」との規定は「非嫡出子」との間で合理的理由のない区別を生じさせている点において憲法14条1項に違反すると判示し、②父母の「婚姻」という文言については、今日においては、内縁関係も、法律上の婚姻と同様あるいはこれに準ずる保護を与えられていることから、合憲的解釈という観点から、婚姻(内縁)及びその認知により嫡出子又は非嫡出子たる身分を取得した子については一定の要件の下(届出)に国籍取得(届出時)を認められるべきことになる、として、③これを本件で検討するに、Xの父母は内縁関係にあると認められるから、Xには届出による日本国籍の取得が認められるとした。 しかるに、原判決(東京高判2006(平成18)年2月28日、民集62巻6号1479頁)は、国籍法3条1項(当時)の国籍取得要件である「婚姻」に、事実上の婚姻関係(内縁関係)が含まれるとの拡張ないし類推解釈をすることは許されないと明示し、かつ、Xの主張を、同項のうち「婚姻」ないし「嫡出子」を要件とする部分だけを違憲無効とし、同項を拡張ないしき」に子を日本国民とするとし(出生による国籍の取得、国籍の生来的な取得)、国籍の取得に関する父母両系血統主義を採用している。同法3条1項(当時)は、「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。」としている(届出による国籍の取得)。同項の定める国籍取得の要件のうち、「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した」という部分がいわゆる「準正要件」というもので、本事例等において問題とされている要件である。なお、同項の規定による「届出」をした者は、届出の時に日本国籍を取得する(同条2項)。1 国籍取得におけるジェンダーバイアス

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