マン民
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第11節はじめに〈区分所有権の信託について〉第1章高齢なマンション居住者のための民事信託の活用について3第1節 はじめに〈区分所有権の信託について〉 マンションをはじめ,「建物の区分所有等に関する法律」(昭和37年法律第は,専有部分の所有権(区分所有権)を有する者(区分所有者)は,民事信託によってその区分所有権を家族や親族などに信託することが可能である。 民事信託により,委託者が一定の信託目的を達成するため,マンションの区分所有権を受託者に信託譲渡することによって,受託者は信託財産の管理処分のために区分所有権を有する者(特定承継人)となる。 すなわち,受託者は,区分所有法上の区分所有者となり,区分所有法第3条に定める区分所有者全員の団体(一般に,「管理組合」という。)」の一員となる。受託者が信託財産であるマンションの専有部分及び共用部分等を利用・管理する上においては,受託者に管理組合の規約及び集会の決議の効力が及ぶこととなる(区分所有46条1項)。 それゆえ,マンションの区分所有権の信託を設定するときには,区分所有法上の「区分所有者」という言葉を,信託契約等に基づき信託財産として区分所有権を有する「受託者」に置き換えて,関係法令に当たる必要がある。 マンションの区分所有者の権利は,戸建住宅等の所有者が有する絶対的な所有権とは大きく異なるものである。マンションでは,区分所有法をはじめ,「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(平成12年法律第ションの管理組合が定める管理規約により,区分所有者の権利関係や共同管理・共同居住のルールが定められている。 したがって,民事信託の受託者がマンションの区分所有権の信託を引き受け,マンションの区分所有者の一人となった場合には,信託目的のいかんにかかわらず,区分所有法等の関係法令や当該マンションの管理規約の定めに従って,誠実かつ適切に信託事務を行うことが求められる。69号,以下「区分所有法」という。)が対象とする専有部分のある建物に関して149号,以下「マンション管理適正化法」という。)などの法律及び個々のマン

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