i刊行に寄せて刊行に寄せて大 貫 正 男ふくし信託株式会社取締役会長(司法書士・民事信託士)(専有部分)の保守管理やリフォーム,そして転居が必要になった場合の売 都市部に立地するマンションは,利便性や安全性などの点で,老後になっても自立した住生活を送りやすい住宅と考えられる。そうした点を背景に,マンションに暮らす高齢な区分所有者は,「このまま住み続けたい」と永住意向を持つ方が多くなっている。今後は,高経年マンションが加速的に増加し,同じマンションの中で居住者の高齢化が一層進むものと考えられる。 そうした中で,マンションに居住する高齢者においては,自宅の住戸却手続きなど,自身では対応が困難なことが次々に生じることが想定される。また,自身では管理組合の一員としての役割を果たせず,管理組合の運営やマンション全体(共用部分)の管理が適正に行われなくなるリスクが高まるものと考えられる。 こうした高齢なマンション居住者のための民事信託の活用方法を紹介するものである。 また,財産管理の一環として信託利用を検討する際,子がいない場合等,信頼して託せる受託者がいないために信託組成を諦めているケースもあろう。しかし,令和4年7月,福祉型の信託に特化した「ふくし信託株式会社」が財務局より第21号をもって登録済となった。この会社は将来的にはマンション居住者のための支援信託についても取り扱うことがあり得ることから,本書では,その期待される役割等についても紹介されている。 以上のとおり,本書は,高齢化の進行により影響を受ける個人財産と共有財産の長期的な管理問題を解決するうえで参考になるものと思われ,ぜひご参考にしていただければ幸いである。 2023年10月
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