第4節 事例解説条件は変わってくるかもしれない。)に変えるのかは,受託者の大きな判断法上の倒産隔離機能を有する口座であるか否かを金融機関に確認しておく必要がある。 利用を予定する金融機関が,融資はしてくれるが倒産隔離機能を有する信託口口座ではない場合,そのままその金融機関を利用するのか,他の倒産隔離機能を有する信託口口座を開設してくれる金融機関(ただし,融資になる。 全国的にはまだ受託者としての名を冠した口座の開設に応じる金融機関も少なく,倒産隔離機能を有する信託口口座を開設できる銀行は限られる。さらにその中から融資をしてもらえる金融機関を探すことになる。2 借入れ期間中 借入れ期間中の問題としては,受託者の変更など信託内容に変更が生じた場合,不動産登記の変更をすることになるが,その旨を金融機関に通知する必要がある場合もある。融資に関する契約で,変更がある場合は金融機関に通知することを義務づけている契約がほとんどですから,これを怠れば契約違反にもなる。 そのため,なんらかの事情で信託の変更を必要とする場合には,まず金融機関との事前打合せが必要になるし,この場合も,金融機関側の意向,取扱いに左右されるのが実情である。3 信託終了時 信託終了時の金融機関との関係で,一番問題になるのは,未だ借入れ金の返済が終わっていない場合である。信託財産は信託契約書に定められた,帰属権利者又は残余財産受益者に名義が移転することになるが,残余の財産とはいえ財産を受ける以上,通常は残債務もそれらの者が引き継ぐのが基本的な考え方だろう。 しかし,そのためには信託契約でその旨の定めをしておく必要があるし,その定めがあっても,担保設定時の債務者は受託者名になっているので,債務者の変更には当然金融機関の同意がいることになる。残債務が承継されても,受託者にとってそれが免責的なものになるのか,併存的なものになるのか,やはり金融機関次第ということになる。 以上のとおり,受託者が金融機関から信託目的を遂行するために融資を受ける場合には,事前に金融機関との細かい打合せと確認が必要になり,それを見越した信託契約の内容にしておく必要がある。194
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