マン民
7/70

iiiはしがきはしがき 我が国は,75歳以上の後期高齢者が著しく増加するという超高齢社会を迎えている。今後も平均寿命や健康寿命がさらに延びることが予想されており,「人生80年」から「人生100年」の時代へ移行しようとしている。 そしてマンションの使用寿命も「100年時代」に向かおうとしている。マンション管理の主体は区分所有者で構成する管理組合である。管理組合が健全に運営され,適切な管理を長期的に持続できれば,マンションの使用年数の長期化を図ることができる。 そうした中,マンションに永住を希望する高齢者が増えている。住み慣れたマンションに安心して暮らし続けられるようにするには,第一に,区分所有者の多くが高齢者になった場合でも,管理組合の健全な運営を維持し,マンションの修繕や再生を計画的かつ円滑に実施できる体制を確保することが必要である。 しかし,国土交通省の調査などによると,実際には区分所有者の高齢化が進む高経年マンション等では「管理組合の担い手不足」と「理事会の運営の困難化」が最も大きな問題となっている。このままでは,マンションに永住したくても,安心して住み続けることができない高経年マンションが増えることが懸念される。 マンションの管理とは,区分所有建物という共有財産を,区分所有者が共同して管理することである。長寿化が進む社会において,高齢な区分所有者が末永く安心して住み続けられるマンションを確保するためには,高齢者から次の世代(子・孫)に,住まいである住戸(専有部分)の管理と,管理組合の一員としての共同管理の役割を一緒にバトンタッチすることによって,管理組合の理事会と総会の健全な運営を促進することが重要な課題になると考えられる。 そして,マンションの適切な管理を持続する上では,管理組合が長期的な管理計画や修繕計画を定めるとともに,長期計画に基づく事業を的確に実施できるように,区分所有者の合意形成と総会の意思決定の円滑化を図

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る