財清
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 Aは、突然所在不明となり、利害関係人Bは、Aの所在不明から7年経過した後に、失踪宣告の申立てをし、Bの申立てを認容する審判がなされて、同審判は確定した。ところが、Aについては、戸籍上相続人が不存在であった。Aについて、相続財産清算人を選任することはできるか。【注意点】 高齢者職権消除は、戸籍上の整理をするために便宜的に行われる行政措置であり、死亡という法的効果を生じさせるものではないので、相続開始原因とはならない。 したがって、被相続人の戸籍につき、高齢者職権消除の措置がとられていたとしても、相続財産清算人を選任することはできない(相続財産管理人に関する事例として松山家審昭和42年4月19日(家月19巻11号117頁)参照)。 4 相続財産清算人選任の要件 141 水難、火災その他の事変によって死亡した者がある場合には、その取調べをした官庁又は公署は、死亡地の市町村長又は死亡者の本籍地の市町村長に、死亡の報告をしなければならない(戸籍89条)。これが認定死亡と呼ばれる制度である。 特定の事変により死亡したのは確実であるが、死体が見つからないため、死亡の報告に基づいて、戸籍上死亡の記載がされるものであり、死亡という法的効果が生じる(最一小判昭和28年4月23日(民集7巻4号396頁))。設例2−1【解 説】 失踪宣告は、一定期間生死不明である者を、死亡したものとみなす制度であり(民31条)、相続開始原因となる。 したがって、本設例においても、他の要件を充たしていれば、Aについて、相続財産清算人を選任することができる。 なお、失踪宣告については、第1章17(107頁)を参照されたい。③ 認定死亡相続財産清算人選任の可否(失踪宣告があった場合)

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