商完
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第Ⅱ部完全オンライン申請の準備◦証明期間と手数料②商業登記電子証明書の証明期間と手数料商業登記電子証明書には証明期間(電子証明書の有効性を確認することができる期間)が定められています。発行請求者が任意の証明期間を選択でき(3か月の整数倍で最長27か月),その期間に応じた発行手数料を支払います(書面請求・オンライン請求で手数料に差はありません)。なお,証明期間内は,何度でも電子証明書の取得(ダウンロード)が可能です。ただし,証明期間は,管轄登記所で電子証明書の発行申請の処理が終了し,電子認証登記所に電子証明書の情報が登録された時から開始する点に注意ください(電子証明書のダウンロード時から開始するのではありません)。◦証明期間は何か月にするか2022年の法務省統計によると,商業登記電子証明書の発行申請件数は合計で55,937件,証明期間ごとにみると,件数の多い順に27か月(34.1%)→12か月(29.5%)→24か月(12.8%)となっています。特に理由がなければ,本書では,最長期間の27か月での取得を推奨します(証明期間が長くなるほど,月額換算で考えると手数料が安価なほか,例えば,取締役任期2年の会社設立と同時に証明書を取得する場合,証明期間24か月では,再任登記のタイミングで証明書期間が切れてしまう等の理由によります)。もっとも,直近の登記申請で試用したいとの需要であれば3か月の期間でも十分でしょう。◦変更登記による失効と再発行注意点として,証明期間中に電子証明書の記載事項に変更の登記(代表者変更,商号変更,本店移転,代表者の代表権の制限)がされた場合,電子証明書は失効します。代表者変更等で印鑑届書の再提出が必要となる点に類似します。商号変更,本店移転の場合には,残期間で手数料不要で再発行が可能です。一方で,代表者変更の場合,再び発行するには新規発行時と同様の手数料が必要です。司法書士が,商業登記電子証明書取得済みの会社の代表者変更,商号変更,本店移転の登記申請をする場合は,電子証明書再発行の意向を確認することが推奨されます。47

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