ちえ :それは、安心です。私が亡くなった後の、お葬式やお墓のことも、海辺弁護士:お亡くなりになった後のことを決めておくために、「公正証書遺言」という制度を使います。これは任意後見契約と同じ時に作れますよ。遺言書には、お亡くなりになったあとの死後事務、例えばお葬式やお墓のこと、お部屋の片付けのことなんかも書いておけます。また、残った財産があれば、それをどこに寄付するかなどについても決めておけます。ちえ :そう。死後の寄付のこともどうしたらいいかと悩んでいたんです。ちえ :もう一つ心配なことがあるんです。私の母……小さい頃に私を引き取って育ててくれた養い親のウメさんが、施設で生活しているんです。もう96歳で、だいぶ認知症も進んでいます。たぶん私が看取れると思っているのですが、もし先に私に何かあったらと思うと、それも心配です。海辺弁護士:お養母さん、96歳ですか。それはかなりご長寿ですね。ご自身にちえ :はい。そうなんです。もし急に私が倒れてお世話できなくなったら、海辺弁護士:万が一、先にちえさんに何かあった場合は、市長が申立人になって、ちえ :市ではそういう手続はすぐとってくれるんですか。ら警備員が家に駆けつけてくれるんです。私も何人かの方の緊急連絡先を引き受けています。今はおひとりさまの高齢者が多いですから、いろんなサービスがありますよ。 ちえさんは、海辺弁護士のすらすらとしたよどみない説明を聞いて感心した。なるほど。身寄りがなくても、心配しなくて済むように、今はいろんな仕組みがあるのね。何か頼んでおけるサービスはありますか? ちえさんは、ほーっと長い息をついた。よかった。こうやって、元気なうちから、亡くなった後まで、全部お世話してくれる仕組みがあると、ほんとに安心だわ。万が一のことがあったときが心配なんですね。どうしたらいいでしょうか。裁判所に後見人を選んでもらう方法があります。11シーン2 2012年3月2日ホームロイヤー相談
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