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第1章第1人生100年時代~なぜ弁護士によるシニア支援が必要なのか~第1139第1章 ホームロイヤー総論 2022年、65歳以上のシニア人口は3624万人となり、総人口に占める割合が29.0%にのぼった(内閣府「令和5年版高齢社会白書」)。シニアの就業者数は、900万人を超え、総就業者数に占める割合も13.4%となっている。 超高齢社会において、シニアに対する支援需要が相当程度増大している。しかし、その需要に応える支援供給者側の仕組み作りが、あまりに遅れている。弁護士業界においても、ホームロイヤー(任意代理)・後見・民事信託について普及が遅れ、かつこれら仕組みのメリットを利用者が感ずることができないでいる。日常における小さな問題解決事例を積み重ね、ノウハウを蓄積することが求められる。 シニアが自立的生活を行うためには、事前のプランニングの段階における適切な支援が必要である。事前のプランニングとは、シニアが自分の生き方(終末)、介護、資産管理、相続などについて意見を表示し、文書化することである。そのために、シニア支援を担う専門職が、事前のプランニングの支援について力を発揮できるような仕組み作りが必要となっている。すなわち、個々の、かつ地域の弁護士が、シニア支援を行う「ホームロイヤー」として業務を行うためには、医療や介護、さらには生活支援事業者等との関係各所とつながりを持つことが重要となる。 なお、本書での「ホームロイヤー」とは、狭義の任意代理だけでなく、財産管理・任意後見・死後事務などを含んだ広義の概念として用いる。広義のホームロイヤーの対応には、次の4段階がある。① シニアに判断能力がある時の日常継続相談ホームロイヤー総論1 シニア支援とホームロイヤー

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