第4 ホームロイヤー契約の費用は、どのように設定すべきか第4 ホームロイヤー契約の費用は、どのように設定すべきか ホームロイヤー契約の報酬は様々な定め方が可能であるが、定期的な報酬を定めなくても、タイムチャージ報酬条項を入れることも可能である。 例えば、「毎月○○円のホームロイヤー費用がかかります」というと、親族からは「ホームロイヤーは、何もない時には、ただお金が流れていくだけ」と見える場合がある。 もちろん、本人との契約が続いていること自体が、本人にとって、自身が何かを得ている(安心)ことの何よりの証拠となっているし、毎月費用を払うことで、いつでも相談ができ、いざというときに役立つことが本来のホームロイヤーの意義である。ただ、そこまで頻繁に相談することはないという場合には、何もない時には、費用がかからず、いざというときに対応できるタイムチャージの報酬条項を用いることが考えられる。 また、本人の思いとして、自分でできることは自分でやりたいが、法的知識の部分で不安があるので、必要なときに専門家のサポートを受け安心したいということもある。そこで、狭義のホームロイヤーとしての見守り段階では、いつでも本人から相談を受けられるようにし、相談や支援をする度に、それに見合った報酬を受け取り、本人が「自分で行いたい」部分を尊重して支援していくことが考えられる。その後、徐々に体力・気力が落ちてくるときには、本人からの申出により、大きな財産の通帳等を預かるなど、財産管理契約を締結することもできる。そして、日常的に金銭管理の支援が必要になれば、任意後見契約をスタートさせるといったように、312第3編 Q&A編ば、遺言とは別に、ホームロイヤー契約に基づく個別契約として、死後の様々な事務を生前に依頼し契約(死後事務委任契約)をしておくことができる。遺言では、法定遺言事項として「身分に関すること」「財産の処分に関すること」「相続に関すること」が規定されているが、これ以外の「葬儀・納骨に関すること」や「家財道具の処分」「知人への連絡」などについては、遺言で記載したとしても付言事項としての意味を有するだけで、法的効力を持たせることはできないからである(第2編第8章、第3編Q21参照)。
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