6 考えられる立証方法⑴ 基本的な証拠 民事訴訟規則55条は,不動産に関する事件には登記事項証明書を提出すること(1項1号),立証を要する事由につき証拠となるべき文書の写しで重要なものを添付すること(2項)を要求している。また,共有関係確認請求訴訟は,固有必要的共同訴訟であるから,原告及び被告が共有者のすべてであることを証明する必要がある。原告主張の共有関係と登記事項証明書の記載が一致している場合はよいが,そうでない場合には,原告の主張を基準として訴状審査がされると思われる。 訴額算定の基準が不動産の価格であるから,評価証明書の提出は不可欠である。82第2章 共有不動産に係る確認請求訴訟,共有物分割請求訴訟等準)の2分の1の金額(「土地を目的とする訴訟の訴訟物の価額の算定基準について」平成6年3月28日民二79号民事局長通知)に,原告の共有持分割合を乗じた金額を訴額として訴え提起の手数料を算定する。原告が複数の場合は,それぞれの持分に相当する価額を合算する(民訴9条1項)。⑶ 当事者 既に述べたように共有関係確認請求訴訟は,固有必要的共同訴訟であるから,共有者全員が原告又は被告として当事者となる必要がある。⑷ 既判力等 確認訴訟であるから,確認の対象である権利・権利関係について既判力が生ずる。本節の共有関係確認請求訴訟では,当該不動産の共有者の共有関係にあること及び共有持分の割合(請求があれば)について既判力が生ずる。認容判決は,認容された主文に記載した内容で既判力が生じ,棄却判決は,原告主張の共有関係がないことについて既判力が生ずる。一部認容判決(一部棄却判決)は,それぞれの部分について上記の既判力が生ずるが,一部認容なのかどうか困難な問題がある。
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