マン相
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108をしていても責任を問われる、無過失責任を負います。今回、敷地そして傾斜地の占有者かつ所有者は、区分所有者全員と解されます。また、敷地及び傾斜地は造成されたものですので、「土地の工作物」に該当する、又は民法717条1項が準用されると解されます。そのため、区分所有者全員は、「損害の発生を防止するのに必要な注意をしていた」と立証できても、結局、責任を負うことになります。なお、管理組合が民法717条1項の「占有者」に当たるかについては争いがありますが、当たらないと解されま(注80)す。ただし、擁壁について、以前から崩れる兆しがあり、それを放置していたという場合には、管理組合には、それを予見し、結果を回避する義務があり、故意・過失が認められると考えます。この場合には、故意又は過失に基づいて、他人の権利を侵害し、他人に損害を与えた場合に当たりますので、管理組合は、民法709条により、不法行為責任を負い、損害賠償をしなければならないと解されます。敷地・擁壁(擁壁倒壊)(注80)東京高判平成29年3月15日判タ1453号115頁。

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