A 区分所有法60条に基づき、訴訟を提起する必要があります。Q 当マンションには、数年前から住居部分を整骨院として使用総論解説裁判で原告になれる者は、管理組合法人、相手方となる者を除く区分所有者全員、管理者、総会で指定された区分所有者となります(区分所有法60条1項、2項、57条3項)。(注81)最判昭和62年7月17日裁判集民151号583頁。キーワード【占有者】【専有部分】【引渡請求】【区分所有法60条】112する賃借人がおり、区分所有者は迷惑を被っています。当該賃借人を追い出すよう、賃貸人である区分所有者に求めても、契約を解除して追い出すなどの手続を取ってくれません。そこで、区分所有法60条に定める占有者に対する専有部分の引渡請求の手続を取ろうと思います。その手続的な要件を教えてください。【住居専用規定】【店舗営業】【弁明の機会】また、被告とする者は、専有部分の占有者に専有権限がある場合は、該当戸の区分所有者と占有者の両方を被告とします。なお、転貸借の場合は、区分所有者は被告とならず、被告は転貸人と転借人となります。そして、専有部分の占有権限の根拠となる契約を解除し、その引渡しを請求します。占有者に専有権限がない場合は、占有者のみを相手方とし、当該専有部分の引渡しを請求します。訴訟を提起するには、総会決議(特別多数決議)を必要とします(区分所有法60条1項、2項、58条2項)。また、当該決議の前に、あらかじめ、占有者に「弁明の機会」を与える必要があります(区分所有法60条1項、2項、58条3項)。弁明の機会は、総会の席上で与えることが望ましいとされていますが、決議に不当な影響を与える場合には、事前に弁明書を提出させ、決議前に、弁明書の内容を伝達する方法でも足りるとされています。なお、この弁明の機会は、占有者にのみ与えれば足るとされていま(注81)す。問82 占有者に対する専有部分の引渡請求(区分所有法60条)の手続
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