マン相
5/84

iはしがき13年前、マンション管理を専門的に扱う事務所に入所し、その後独立し、現在も多数のマンション管理会社、管理組合の顧問を務めるなど、弁護士登録直後からマンション管理を専門的に扱っています。弊所へのマンション管理会社、管理組合からの相談は年々増え続け、現在では月間で少なくとも100件以上です。10年以上マンション管理を専門的に扱っていて感じることは、マンション管理に関する問題は、年々、量的には「増加」し、質的には「高度化・複雑化」しているということです。私自身、年々「高度化・複雑化」する問題に対応するために日々研鑽を積んでいますが、マンション管理問題の「高度化・複雑化」するスピードは年々加速しており、もはや個人で対応するには限界があると考えています。そこで、私は、既に「高度化・複雑化」している他の業界(金融業界、知的財産分野など)を参考にして、マンション管理問題に対して「組織化」で対応することを目指しました。マンション管理問題に5名以上もの弁護士で組織的に対応している事務所はおそらく日本初ではないかと自負しています。実際に「組織化」することによって得られた具体的なメリットは、以下のとおりです。① 多数の事例を協議しながら解決する。② 組織として知識・経験が共有、蓄積される。③ その結果として更に多数の事例が集まってくる(①に戻る。以後繰り返し)。また、弊所は事務所の枠を超えた「知の共有」を目指して、定期的に学者の先生方との勉強会や、公認会計士、建築士の先生方との交流会も行っています。本書は、そのようにして得られた「ナレッジマネジメント」の一端をお示しするものであり、具体的な特徴は以下の3点です。第一に、圧倒的な「事例の数」です。前述のとおり、弊所には少なくとも月間100件以上、累計で数千件の相談件数が集積されています。その中で繰り返し問われる問題や、学ぶとこ

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る