2_未来
30/38

謝 辞656究室で勉強されるお姿に変わりはありません。また、数多くの卓越した研究業績を残される一方で、スポーツも万能で、バレーボールをはじめ、柔道、空手については有段者でいらっしゃいます。スポーツ法でのご活躍は当然の流れであり、スポーツで培われた体力が先生の知力と研究への情熱を支え、文武不岐が体現されたものと思われます。 棚村先生は、1997年に、三木妙子先生(早稲田大学名誉教授)から家族と法研究会の代表を引き継がれ、2013年以降は養育支援制度研究会の座長も務められています。家庭裁判所調査官、調停委員などの研修の講師も務められ、司法・行政に関わる実務家の教育にも注力されてきました。家族と法研究会には、棚村先生の教えを受けた多くの調停委員の方も参加されています。研究会後は、早稲田大学西門近くの「紅梅」で、報告者を囲んでお酒を酌み交わしながらの議論が続けられました。私たち門下生は、棚村先生と酒席をご一緒させて頂けることが楽しみであるとともに、研究に教育にとご多忙のなかでの、棚村先生の学問に対する真摯な姿勢、そして報告者に対する敬意の表し方に、研究者・教育者の理想の像を見せていただきました。先生のご自宅付近で懇親会を開催した折には、先生のご家族や町内会の方とご一緒させていただく機会もありました。驚くことに、その当時、先生は、町内会の理事も務めていらっしゃいました。誰にでも分け隔てなく接せられる気さくなお人柄、そして和を大切にされる姿勢に、私たち門下生は、心からの憧れと尊敬の念を抱き続けてやみません。 棚村先生のご指導でとくに印象深いのは、学部生と一緒に行った2つの研修旅行です。ロサンゼルス研修では、UCLAでの授業体験、裁判の傍聴など、見るもの聞くものすべてが新鮮でした。弁護士事務所への訪問は、まるでドラマの世界に入ったようで、勉強へのモチベーションが掻き立てられたことを覚えています。先生が景色を見せに連れて行ってくださったペッパーダイン大学からの眺めは、今でも目に焼き付いています。カンボジア研修では、大学院生だけ、夜の懇親会に同行させていただきました。裁判官や法務省、プノンペン大学の皆様とご一緒させていただき、貴重な経験をさせていただきました。先生を囲み、学び合い、語り合い、棚村先生のまわりはいつも活気に満ちていました。私たち門下生は、先生の下で学ぶことができて、本当に幸せでした。

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る