7⑵ 技術法務3.0(プラクティスの深化,技術法務for X)ア プラクティスの深化「1対N」の連携が基本となったオープンイノベーション環境では,次の一手(次の提携先)を見据えた知財実務,契約実務が特に重要となった。次の一手(次の提携先)を見据えた知財実務,契約実務の具体例を説明する12)。技術法務2.0は,知財実務セオリー及び契約実務セオリーに基づき,展開される知財及び法務の一体的実務である。近時,モノを売る時代からコトを売る時代へ変遷し,個別の技術に着目せずに,特定のサービスを実現するために大企業とスタートアップが連携する動きが加速する。この動きは,1対1の相互補完連携ではなく,「1対N」の連携が基本となる。各ステークホルダー(大企業,中小企業,スタートアップ,大学,VC,金融機関)の意識も変わり始め,オープンイノベーションを取り巻く環境も大きく変化した11)。また,AI,メタバース,ブロックチェーン,デジタルツインと,デジタル技術の発展も目覚ましい。3 技術法務3.0(〜2024年)11)経済産業省・特許庁「研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver1.0」(「オープンイノベーションを促進するための技術分野別契約ガイドラインに関する調査研究」委員会委員長鮫島正洋・2020年6月)も公表され,大企業とスタートアップが取引する際の意識の変化も生じ始めた。12)前掲注11・モデル契約では,大企業とスタートアップ間の契約例は示しているものの,特許実務と契約実務の融合的な実務については,触れられていない。これら融合的実務の事例については,鮫島正洋編集代表『第2版 技術法務のススメ』(日本加除出版,2022年)において,紹介される。3 技術法務3.0(〜2024年)⑴ オープンイノベーションの変容,デジタル技術の発展
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