A社は,来年,創立100周年を迎える音響機器メーカーである。A社の代表取締役のB氏は,創立100周年の記念事業の一環として,新たにデザイナーを雇い,A社の顔になるような創立100周年記念の製品の販売を検討中である。B氏永島B氏永島永島13事例今般,当社は創立100周年を迎えるにあたり,その記念事業の一環として,「A社の顔」といえるような新製品を販売することを検討中です。そのために,新たにデザイナーも雇いました。この新製品に関しまして,心配といいますか,当社の希望としまして,その販売後も,例えば,創立200周年を迎える時まで,その模倣品や類似品の販売を防ぎたいと考えているのですが,さすがにそういったことは難しいでしょうか?なるほど,それは面白いですね。そういったことも不可能というわけではありません。ちなみに,その新製品はどういったものになりますでしょうか?検討中の新製品は,「照明付きスピーカー」となります。この新製品は,形態や機能に特徴がありまして,例えば,照明とスピーカーが一体となっている点が挙げられます。これはますます面白いですね。そのような特徴からしますと,知的財産権による多面的な保護が検討できそうです。一つ一つご説明しましょう。まず,デザインの観点から,意匠権による保護が考えられます。1 意匠権による保護知財を複合的に活用して長期的視点からデザインの保護を図る事例1
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