判相1
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10 第1章 総  則ア 条文見出しと項番号を付する。イ 分かりにくい語に定義を付する。 「推定相続人」(民892条)を「相続が開始した場合に相続人となるべき者」と,「相続債権者」(民927条)を「相続財産に属する債務の債権者」と,「遺贈義務者」(民987条)を「遺贈の履行をする義務を負う者」と定義を付する。ウ 用語の言い換えをする。 「取消し」(民919条1項)を「撤回」に言い換えるなどである。エ 用字を改める。 「但し」を「ただし」に,促音の表記を小さな「っ」に改めるなどである。⑾ 平成25年の改正 最大決平成25年9月4日民集67巻6号1320頁により,民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分が違憲であると判断されたため,「民法の一部を改正する法律」(平成25年法律94号)が成立し,同部分を削除する改正がなされた(民900条4号ただし書)。⑿ 平成30年の民法等の改正及び遺言書保管法制定 相続法制については,昭和55年の配偶者の相続分の引上げや寄与分制度の創設等がなされて以来,ほとんど実質的な見直しがされていない状況にあった。この間,社会の少子高齢化が進展するなど社会経済情勢についても変化が生じ,特に,相続開始時における配偶者の年齢も高くなっており,高齢の配偶者の生活を保護する必要性が高まった。 また,上述⑾の平成25年の改正の審議過程において,配偶者保護の観点からの相続法制の見直しの必要性などが指摘された。 そこで,残された配偶者の生活に配慮するという観点から配偶者の居住の権利を保護するための方策等を設けるほか,相続法制に関する種々の改正がなされた。 また,平成30年7月6日,「法務局における遺言書の保管等に関する法律」(平成30年法律73号。以下「遺言書保管法」という。)が成立した。この法律は,高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み,相続をめぐる紛争を防止す

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