判相2
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【1】 1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた。2 民法900条4号ただし書前段の規定が遅くとも平成13年7月当時において憲法14条1項に違反していたとする最高裁判所の判断は,上記当時から同判断時までの間に開始された他の相続につき,同号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない。6 第3章 相続の効力この判断は,上記当時から同判断時までの間に開始された他の相続につき,同号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないとした。【1】の判旨1に従い,平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等にされた(同月11日公布・施行)。イ 直系尊属と配偶者が相続人である場合 直系尊属の相続分は3分の1,配偶者の相続分は3分の2である。 直系尊属は第2順位の相続人であるが,直系尊属が数人あるときは,数人の相続分はこの3分の1を均分したものとなる(民900条4号本文)。【例2】。父母が相続人となる場合,実父母養父母の区別はなく,また父方母方の区別もなく,相続分は平等である【例3】。祖父母は,父母がいない場合に相続人となるが(民889条1項1号ただし書),この場合も父方の祖父母と母方の祖父母の区別はない【2】。 直系尊属については代襲相続はない(民901条参照)。最大決平成25年9月4日民集67巻6号1320頁

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