〔注〕 夫婦間に未成年の子がいるときは,婚姻中は原則として父母の共同親権とされていますが(民818条3項),離婚の場合は,共同親権の行使は困難になるため,父母のどちらが親権者になるかを定め(民819条1項),そのことを離婚届書の「未成年の子の氏名」欄の該当の箇所に記載することになります(戸76条1号)。なお,離婚について合意をした場合でも,子の親権について協議が調わないときは,協議離婚の届出をすることができないことになります(昭和25.1.30民事甲230号回答)。〔参考文献〕 「全訂戸籍届書の審査と受理」82頁,394頁,「改訂設題解説戸籍実務の処理Ⅴ⑵」7頁以下,「初任者のための戸籍実務の手引き(改訂新版第六訂)」133頁第 1 概 説3 これらの改正によって,押印義務は廃止されますが,戸籍法施行規則の一部を改正する省令において,届出人の意向により,出生届,婚姻届,離婚届及び死亡届に任意に押印することは可能とされました。これは,明治以来,戸籍届書には押印することとされ,また,重要な文書に押印してきた我が国の慣習や,婚姻の届書には押印をなくすべきでないとの国民の声などを踏まえたものです。(以下略)」 また,戸籍法第33条においては,「証人を必要とする事件の届出については,証人は,届書に出生の年月日,住所及び本籍を記載して署名し,印をおさなければならない。」とされていましたが,前掲と同様に証人についても署名で足りることになりました。 この届出人,申請人その他の者が,署名すべき場合に,署名することができないと市町村長において認めるときは,氏名を代書させるだけで足りるとされています(戸規62条1項)。その場合には,届書のその他欄にその事由を記載なければならないことになります(同条2項)。
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