第3節 区分建物の意義1 区分建物の意義⑴ 区分建物について第4章 建物の表示に関する登記36 区分建物とは、「1棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)第2条第3項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第4条第2項の規定により共用部分とされたものを含む。)」(法2条22号)をいい、一般には棟割長屋の各部屋、テラスハウスの区分された各部屋(専有部分)やマンションの各専有部分等を指す呼称である。 平成16年法律第123号による改正前の不動産登記法においては、「区分建物」という表現はなく、「1棟ノ建物ヲ区分シタル建物」と規定し(同法93条ノ7第1項)、区分建物について定義する規定は設けられておらず、現行準則(平成17・2・25民二第456号民事局長通達)制定前の旧準則において、「1棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがある場合には、その各部分は、各別にこれを1個の建物として取り扱うものとする。」(旧準則137条2項。現行準則78条2項本文の規定と同文)旨の区分建物の要件が、規定されていた。 区分建物については、従来は、建物の所有権との関係において、「区分所有建物」と称されていたが、登記実務や一般社会では、「区分建物」と呼称されていたことから、平成16年法律第123号による不動産登記法では、「区分建物」という用語が採用され、それに伴って、上記のとおり、区分建物の定義が新たに法定されたものである(法2条22号)。 したがって、不動産登記法の「区分建物」と区分所有法2条3項に規定する「専有部分」とは、法律上同一のものとはいえないものの、区
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