不書5
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4権として構成しており、このことの反映として、地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができるとしている(民369条2項前段)。 地上権又は永小作権に設定された抵当権については、民法第2編物権の第10章の抵当権に関する規定が準用される(同項後段)。すなわち、その抵当権の設定、効力、変更、消滅等については、土地(土地の所有権)を目的とする抵当権と同様の取扱いを受けることになる。 次に、採石権は、他人の土地において岩石及び砂利を採取する権利であり(採石法4条1項)、民法の地上権に関する規定を準用するものとされている(同条3項)。したがって、採石権についても抵当権の目的とすることができ(同条3項による民369条2項前段の準用)、その場合には、土地の地上権に関する規定が準用されることになる(採石法4条3項による民369条2項後段の準用)。 一方、当事者の一方が、ある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方が、これに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって成立する賃借権(民601条)について、民法は、賃貸人が賃借人に対して目的物を使用収益させる義務を負う(賃借人は、その対価として賃料を支払う。)という債権として構成している。したがって、現行の民法上、土地の賃借権に抵当権を設定することはできないと解される。もっとも、不動産の賃借権も、上記⑵(1頁)の各種の財団を組成する財産とされた場合には、抵当権の目的とすることができる。 抵当権の設定契約の当事者は、債権者(抵当権者)と抵当権設定者(目的物の所有者)である。抵当権設定者は、自らが債務を負担する債務者であるのが通常であるが、第三者が債務者となることもでき、この場合の当該第三者が、物上保証人である(上記1の⑴(1頁)参照)。 債務者が債務を履行しない場合、物上保証人は、自らが提供した目2 抵当権設定契約の当事者等⑴ 抵当権設定契約の当事者⑵ 物上保証人と債権者との関係第4章 抵当権に関する登記/第1節 総 説

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