6法定受託事務とは,どのような事務をいうのですか。A 平成11年法律第87号(いわゆる地方分権一括法)により改正後の地方自治法は,地方公共団体が処理する事務を自治事務と法定受託事務に区分しています(地自2条8項・9項)。 自治事務とは,地方公共団体が処理する事務のうち,法定受託事務以外のものをいいます(改正後の地自2条8項)。これに対し,法定受託事務とは,事務の性質上,その実施が国又は都道府県の義務に属し,国又は都道府県の行政機関が直接執行すべきではあるが,国民の利便性又は事務処理の効率性の観点から,法第1部 総 論(注) 戸籍事務は,従前は,国の機関としての市町村長が処理する機関委任事務とされていましたが,前記地方分権一括法により廃止されるとともに,戸籍事務は,同法による改正後の地方自治法2条9項1号に規定する第一号法定受託事務とされました(なお,法定受託事務について,Q6参照)。それぞれ区長が管掌することとされています(戸4条)。 戸籍事務は,本来,国が執行すべきものであるところ,市町村がこれを処理することとされているのは,戸籍事務がその性質上国民と密接な関係があり,したがって,その利便性に配慮する必要があること,また,一方において,戸籍が市町村の各種行政に利用される面が少なくないこと,さらには明治初年以来市町村が担当してきたその経緯などが考慮されたことによるものと解されます。42 法定受託事務の意義QQ
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