A 準正には,婚姻準正と認知準正の2つの場合がありますが(Q4参照),認知準正の効果の発生時期について,民法789条2項は「認知の時から」と規定しています。そうすると,父の死亡後に強制認知(裁判上の認知)された子の場合には,嫡出子としての相続分を主張できなくなってしまうので(民900条4号ただし書),婚姻の時から準正の効果を生ずるとする説が有力です(我妻栄「親族法」253頁)。戸籍実務における先例も同様に解しています(昭和42.3.8民事甲373号回答)。A 準正嫡出子は,従前はその身分を取得すると同時に父母の氏を称し,その戸籍に入るものとされていました(昭和35.12.16民事甲3091号通達)。しかし,その後,昭和62年法律第101号によって民法の一部が改正され,準正子は,父母の婚姻中は,家庭裁判所の氏変更の許可を得ないで,戸籍法98条の入籍の届出をすることによって父母の氏を称することができるようになった(改正後民791条2項)ことから,前記従前の取扱いは改められましウ 準正嫡出子の身分を取得する時期QQ6準正によって子が嫡出子の身分を取得する時期は,いつですか。エ 準正嫡出子の氏QQ7準正によって嫡出子の身分を取得した子は,その身分の取得と同時に父母の氏を称することになりますか。第2部 各 論48
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