尾中郁夫・家族法学術賞、同学術奨励賞、同新人奨励賞

令和6年 尾中郁夫・家族法学術賞 受賞者発表(令和6年3月21日)

本年の尾中郁夫・家族法学術賞および同・家族法学術奨励賞、同・家族法新人奨励賞につきまして、
選考委員会での厳正なる審査の結果、本年の受賞作品が次のとおり決定いたしました。


贈呈式は、令和6年5月24日(金)、法曹会館(東京都千代田区霞が関1-1-1)にて執り行う予定です。


【第36回 尾中郁夫・家族法学術賞】
受賞該当者なし

【第35回 尾中郁夫・家族法学術奨励賞】
原田 綾子 氏 (名古屋大学大学院法学研究科教授)
「子どもの意見表明権の保障:家事司法システムにおける子どもの権利」
信山社

【第25回 尾中郁夫・家族法新人奨励賞】
中岡 淳 氏 (帝京大学法学部法律学科助教)
「同性婚の内容形成と平等原則」
法学論叢

尾中郁夫・家族法学術賞、同学術奨励賞、同新人奨励賞

 尾中郁夫・家族法学術賞は、弊社第4代社長であった尾中郁夫が生前、出版事業を通して、家族法関係の理論的、制度的な発展に対する多くの助成的な貢献をしたことを顕彰するために設けられました。
 家族法の研究に優れた業績をあげ、また啓蒙的な役割を果たした研究者、実務家を表彰するとともに、今後の活躍を期待することを目的としています。
 また、尾中郁夫・家族法学術奨励賞は、広く家族法の分野において優れた書籍、論文等を発表し、学界又は実務界に貢献した、おおむね45歳以下の研究者・実務家等に対し、その業績を表彰するとともに、将来の活躍を期待して創設されたものです。
 そして、尾中郁夫・家族法新人奨励賞は、同じく優れた書籍、論文等を発表した、おおむね35歳以下の研究者・実務家に対し、その業績を表彰するとともに、将来に向けて励ますことを目的として創設されたものです。

選考委員会 委員(着任順)

  • 犬伏 由子(慶応義塾大学名誉教授)
  • 松原 正明(弁護士)
  • 二宮 周平(立命館大学名誉教授)
  • 大村 敦志(学習院大学教授)
  • 早川眞一郎(専修大学教授)

過去の受賞者・受賞作品(所属は受賞当時)

尾中郁夫・家族法学術賞

第35回 鈴木 賢(明治大学法学部教授・北海道大学名誉教授)「台湾同性婚法の誕生―アジアLGBTQ+燈台への歴程」
第34回~第22回 受賞該当者なし
第21回 松川正毅(大阪大学教授)「医学の発展と親子法」
第20回 受賞該当者なし
第19回 松本博之(大阪市立大学教授)「人事訴訟法」
第18回~第16回 受賞該当者なし
第15回 大島俊之(神戸学院大学教授)「性同一性障害と法」
第14回・第13回 受賞該当者なし
第12回 米倉 明(早稲田大学教授)「家族法の研究」
第11回 松倉耕作(南山大学教授)「血統訴訟と真実志向」
第10回 川田 昇(神奈川大学教授)「イギリス親権法史」
第9回 太田武男(京都大学名誉教授)「現代の内縁問題」
第8回 木棚照一(立命館大学教授)「国際相続法の研究」
石川 稔(上智大学教授)「家族法における子どもの権利」
第7回 受賞該当者なし
第6回 浦本寛雄(西南学院大学教授)「破綻主義離婚法の研究」
第5回 受賞該当者なし
第4回 島津一郎(創価大学教授)「転換期の家族法」
第3回 山本正憲(岡山商科大学教授)「養子法の研究」
第2回 高野耕一(大東文化大学教授)「財産分与・家事調停の道」
第1回 中川 淳(広島大学教授)「相続法逐条解説」

尾中郁夫・家族法学術奨励賞

第34回 谷口洋幸(青山学院大学法学部教授)「性的マイノリティと国際人権法 ヨーロッパ人権条約の判例から考える」
第33回 青竹美佳(大阪大学大学院高等司法研究科教授)「遺留分制度の機能と基礎原理」
第32回 山口亮子(関西学院大学法学部教授)「日米親権法の比較研究」
第31回~第29回 受賞該当者なし
第28回 青木 清(南山大学法学部教授)「韓国家族法――伝統と近代の相剋」
第27回 下夷美幸(東北大学大学院文学研究科教授)「養育費政策の源流――家庭裁判所における履行確保制度の制定過程」
第26回 大塚正之(弁護士/早稲田大学法学学術院招聘研究員)「判例先例 渉外親族法」
第25回 受賞該当者なし
第24回 中山直子(東京地方裁判所立川支部判事)「判例先例 親族法――扶養」
第23回 受賞該当者なし
第22回 平田 厚(明治大学法科大学院専任教授・弁護士)「親権と子どもの福祉――児童虐待時代に親の権利はどうあるべきか」
第21回 小口恵巳子(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科研究院研究員)「親の懲戒権はいかに形成されたか――明治民法編纂過程からみる」
第20回 西希代子(上智大学准教授)「遺留分制度の再検討」
倉田賀世(関西外国語大学講師)「子育て支援の理念と方法――ドイツ法からの視点」
第19回~第18回 受賞該当者なし
第17回 三成美保(摂南大学教授)「ジェンダーの法史学――近代ドイツの家族とセクシュアリティ」
第16回 金子敬明(千葉大学助教授)「相続財産の重層性をめぐって」
第15回 伊丹一浩(茨城大学助教授)「民法典相続法と農民の戦略」
横田光平(筑波大学講師)「親の権利・子どもの自由・国家の関与――憲法理論と民法理論の統合的理解」
第14回 受賞該当者なし
第13回 柳橋博之(東京大学大学院助教授)「イスラーム家族法」
第12回 清水 節(那覇地方裁判所判事)「判例先例親族法III 親権」
第11回 高橋朋子(東海大学教授)「近代家族団体論の形成と展開」
第10回~第7回 受賞該当者なし
第6回 新井 誠(千葉大学教授)「高齢社会の成年後見法」
松原正明(青森地方・家庭裁判所弘前支部長判事)「判例先例相続法I 遺産分割」
第5回 大村敦志(東京大学助教授)「フランス家族法改革と立法学」
第4回 鈴木 賢(北海道大学助教授)「現代中国相続法の原理」
鈴木眞次(広島大学助教授)「離婚給付の決定基準」
第3回 水野紀子(名古屋大学教授)「フランスにおける親子関係の決定と民事身分の保護」・「親子関係存否確認訴訟の生成と戸籍訂正」
第2回 二宮周平(立命館大学教授)「事実婚の現代的課題」
第1回 田中通裕(関西学院大学教授)「フランス親権法の発展」

尾中郁夫・家族法新人奨励賞

第24回 山口真由(信州大学特任教授)「アメリカにおける第二の親の決定」
齋藤宙治(東京大学社会科学研究所准教授)「子どもと法 ― 子どもと大人の境界線をめぐる法社会学」
第23回 阿部純一(中央大学大学院法務研究科准教授)「ドイツ婚外子共同配慮法の形成過程(1~4・完)1969年非嫡出子法から1997年親子法改正法まで」
第22回 喜友名菜織(兵庫県立大学環境人間学部講師)「児童福祉型の他児養育制度としての特別養子縁組の展望――民法817条の6と同条の7を巡る判断枠組み」「特別養子縁組における実親の位置付けと縁組同意に関する考察――ドイツ未成年養子制度の運用を手掛かりに」
第21回 小池未来(富山大学経済学部特命講師)「国際家族法における当事者自治」
第20回 石嶋 舞(ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ法・経済学部客員研究員)「生殖能力と登録上の性別が乖離した場合に要される法的対応に関する一考察 ─ 性同一性障害者特例法の改正を念頭に─」
マシャド・ダニエル(東京大学大学院博士課程)「ブラジルの同性婚法─ 判例による法生成と家族概念の転換─」
第19回 福井清貴(明治大学法学部専任講師)「地域的不統一法国法と当事者自治の原則」
竹治ふみ香(同志社大学大学院博士後期課程)「ドイツ法における遺留分権利者の決定の自由と債権者保護」「ドイツ法における遺留分権利者の決定の自由と生活保障」
第18回 受賞該当者なし
第17回 青木仁美(早稲田大学高等研究所助教)「オーストリアの成年後見法制」
加藤紫帆(名古屋大学大学院)「国際的な身分関係の継続に向けた抵触法的対応――フランス学説の「状況の承認の方法」の検討を中心に」
第16回 石綿はる美(東北大学大学院法学研究科准教授)「遺言における受遺者の処分権の制限――相続の秩序と物権の理念」
第15回 上條聡子(東京法務局法務事務官)「戸籍記載の真実性確保をめぐる諸問題について(虚偽記載の防止措置及び是正措置の検討)」
第14回 稲垣朋子(日本学術振興会特別研究員PD)「離婚後の父母共同監護について――ドイツ法を手がかりに」
第13回 栗林佳代(佐賀大学経済学部准教授)「子の利益のための面会交流――フランス訪問権論の視点から」
木村敦子(京都大学大学院法学研究科准教授)「法律上の親子関係の構成原理――ドイツにおける親子関係法の展開を手がかりとして」
第12回 白須真理子(大阪大学大学院法学研究科博士後期課程)「フランス法における親権の第三者への委譲」
黄 浄愉(北海道大学大学院法学研究科博士後期課程)「台湾における養子縁組の制度的特徴と現実の機能――特に日本法との対比で」
第11回 羽生香織(東京経済大学現代法学部専任講師)「実親子関係確定における真実主義の限界」
松久和彦(沖縄大学法経学部専任講師)「ドイツにおける夫婦財産制の検討――剰余共同制の限界と改正の動向」「ドイツにおける夫婦財産契約の自由とその制限」
第10回 受賞該当者なし
第9回 大島梨沙(北海道大学大学院博士課程)「フランスにおける非婚カップルの法的保護――パックスとコンキュビナージュの研究」
第8回 宮本誠子(大阪大学大学院博士課程)「フランス法における遺産の管理」
第7回~第5回 受賞該当者なし
第4回 金 ○淑(京都大学大学院研修員)「国際私法における養子縁組の効力――養子の相続法上の地位」 ※○は"さんずい"+"文"。
第3回 合田篤子(神戸大学大学院博士課程)「親権者による財産管理権の濫用的行使の規制」
第2回 関ふ佐子(北海道大学大学院博士課程)「アメリカの高齢者ケアにおける社会保障と家族の役割」
第1回 浦野由紀子(京都大学大学院博士課程)「遺言の補充的解釈」

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